この星球 では人類 が核による世界戦争を行った結果、世界が放射能によって汚染され両極の氷が溶けて星球の大半が海で覆われ、残った陸地の四分の三が機械と化し、気候が消えていた。 そして、そのような災厄を招いた人類に天罰が下ったのか、世界には人工生命体以外存在しておらず人類は放射能汚染により、出生率が激減し、雌雄の区別が消えた事によりにより絶滅へと突き進み始めた。 また、星球 の九割を占めるようになった海洋には、リーウェと呼ばれる超巨大生物が生息するようになった。 そして、その禍 から5,6世紀たった今日、世界は"ヴァーター"と呼ばれるメインコンピューターにより管理され、人類の助け手として、また、奴隷として創造されていた筈の 人工生命体 が暮らしていた。 彼らは、改良を繰り返された事により味覚を持ち、思考力を持ち、外見も中身も殆ど人間と変わらなくなった。 そのうえ、エネルギー源は水で事足りている。 穏やかなある昼下がり。 天空 から落ちてくる 雨音 に耳を傾けていた。 人類に恵を与えてきた雨も、今ではすっかり機械達から役立たずの厄介者だと倦厭されている。 それは、唯一生き残った人間 である僕にとっても例外ではなくて、生きている事を実感させられてしまう雨の日も濡れる事も大嫌い。 この世界では、生身である僕は異端で、一見、機械を造った英雄として崇め奉られている。 けれど、真実は、檻の中の観賞動物 と変わらない。 この変わり映えのしない生活の中 で、飼い殺しにされていくだけの人生にどれほどの価値があるというの。 一日が過ぎていく度に、物として扱われるたびに、感情、感覚が麻痺していく。 涙の零し方すら忘れてしまったこの世界から、抜け出したくても、存在して良い場所が無い・・・・。 (続) 2005/10/25 |